前回はホームシアターとして非現実的なハイビジョンのお話をしてしまいましたが、今回はご家庭でのハイビジョンを取り巻く環境についてお話をしたいと思います。
最近ハイビジョンの話題をよく聞くようになりましたが、皆さん知っての通り2011年7月24日に地上波アナログTV放送(以下、アナログ放送)が終了して、完全に地上波デジタルTV放送(以下、地デジ)に移行する事になっています。
アナログ放送と地デジとの一番の違いは画質で、アナログ放送の画素数が横640×縦480なのに対し、地デジは横1440×縦1080と言う高画質で放送を行っている事です。
BSデジタル放送では横1920×縦1080のフルスペックハイビジョン放送を行う番組もあります。
ハイビジョンの放送を観るためにはそれに対応したチューナーとテレビ、対応アンテナとその配線が必要になります。
2011年7月24日のアナログ放送停波はそれ利用している人々に機器の買い替えを促しています。
しかし、果たして4600万以上の世帯全てがテレビを買い換えるのでしょうか?
未だに規格が定まらない部分が数多く残されており、
B-CASや
コピー・ワンス、
ダビング10、HDDVDとブルーレイの次世代ディスク紛争などが機器の購入を躊躇わせる原因になっていますが、アナログ放送終了の最大の問題は、アナログチューナーだけを搭載している機器の処分の問題です。
一応は安価なデジタルチューナーを2011年頃に大量生産する事で対応するようですが、それでも駆け込みの買い替えでゴミ処理場はブラウン管テレビの山になるでしょうし、アナログテレビチューナーを登載したパソコンもゴミ、カーナビもゴミ、携帯型のテレビもゴミ、アナログしか映らないアンテナもゴミ、アナログ用のブースターもゴミで、3年後の日本はゴミの国と化すわけです。
ゴミ運びと処分にかかるエネルギーは「温室効果ガスの排出量を平成20年(2008年)から平成24年(2012年)の間に、平成2年(1990年)比で6%削減する約束」をした京都議定書にとって大きな壁となるものです。
それに追い討ちをかけて、ダビング10対応の放送が今年の6月から開始されるようですが、そうなると現在ハードディスクレコーダーを所有している方が新しいものに買い換えるために古くなった機器がゴミになる事も予想され、その新しい規格の録画機器も2011年を待たずしてさらに新しい規格の為にゴミになる可能性もあり、問題は深刻化しています。
そんな中、今年に入って
マイクロソフトから
Windows VistaがMedia Center機能でデジタル放送に対応するアナウンスがあり、これが実現すれば機器を取り替える事なくMedia Centerを使える機器であればソフトの更新だけで手軽に新しい規格にも対応する事が出来るようになるはずです。
次世代ディスクの紛争はHDDVD寄りであったワーナー・ブラザースがブルーレイに一本化を発表した事により決着がつく形となりましたが、この混乱の中でマイクロソフトの発表したWindows Vistaのデジタル放送対応は大きな意義があり、リビングに置く録画機器が日本の家電製の録画専用機からWindowsパソコンに取って代わる可能性を示しています。
日本の家電会社同士が刀で斬り合っている中、Windowsの黒船がじわりじわりとリビングに忍び寄っています。地上波デジタルの買い替え需要で一番得をするのはWindowsになるのかも知れません。
次回はハイビジョン放送を受信するためのTVアンテナ設置と配線のお話です。